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あなたの "五感" にダイブする。

「名画にゆったりと浸りたい。​」​

そんな願いを叶える『名画』を作ってみました。

​実はこの名画、入浴剤なんです。

あなただけの名画鑑賞の時間。

五感を使って名画の中にダイブしてみませんか。

是非“あの有名な名画”を全身で味わってみてください。

1. 名画を鑑賞する

2. 絵画が溶けた香りを楽しむ。

3. 溶けきった後の絵を見て考える。​

〜名画の浸り方〜

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完成した「名画に浸かる入浴剤」は全部で3種類。

​あなたはどの名画に浸ってみたいですか?

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葛飾北齋/冨嶽三十六景

神奈川沖浪裏

The Great Wave

サファイア色

ocean blue

 海の爽快さを思い出させる香りです。

〜効能〜

心の迷いや不安を打ち砕く

エネルギッシュな力を与えます。

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フィンセント・ファン・ゴッホ/ひまわり

Sunflowers

ひまわり色

sunflower

 ひまわりの温かみを感じる香りです。

〜効能〜

疲れや孤独を優しく癒し、

芸術的インスピレーションを授けます。

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サンドロ・ボッティチェッリ

/ヴィーナスの誕生

La Nascita di Venere

エメラルドグリーン​色

marjoram

ヴィーナス誕生の神話をイメージした香りです。

〜効能〜

生まれ変わったかのような爽やかさで、

ありのままのあなたを祝福します。

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私たちの大喜利印刷ストーリー

​プロローグ 〜 専務の一声からの始まり 〜

2019年5月29日、我が社の専務から一通のメールが社内全体に配信されました。

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おおぎりいんさつ?

聞きなれないワードに興味をそそられ、調べて見ることに。

【大喜利印刷とは】

全日本印刷工業組合連合会で組織された実験的クリエイティブユニット「CMYK」 による、印刷業界の活性化・宣伝を目的としたプロジェクト、それが『大喜利印刷』です。印刷会社が、Twitter上の一個人の「欲しい」というつぶやきをお題に、印刷廃材と印刷技術、アイディアを駆使してプロダクトを作ります。

​ツイート
​廃材
アイデア
​プロダクト
?
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・・・ふむふむ、とっても面白そうな企画じゃないか!

印刷物を刷るだけのイメージが強い印刷業界にとって、

アイデアを駆使し、新しいものを生み出していく取り組みは、

印刷の古くさい印象を一新できるチャンスではないだろうか?

専務からのメールをみて『なんだか楽しそう』と感じた社員たちが集まり、

商品開発の活性化に向けて第2期『大喜利印刷』プロジェクト

私たちエイエイピーも参加することとなりました。

​そしてここから長い長い挑戦が始まるのです。

 〜 ツイートからアイデア出し 〜

​大喜利印刷とは、たった1人のツイートの「あったらいいな」を叶える企画。

まずはお題となるツイート探しを始めました。

またせっかく作るプロダクトはインパクトのある『 目立つもの 』 がいい。

まずはメンバー内で気に入ったツイートを見つけ、そこから浮かぶアイデアを募ることに 、、

闇雲に考えても良質なアイデアは出てこないため、下記の4つのワードから考えることにしました。

USEFUL 使える

Eomtional   ハートを動かす

Fun 笑っちゃう

ART かっこいい

この4項目を軸に​ツイートを片っ端からピックアップ

仕事中の眠気やばい...

あーガラス割りたい!!!

本音が言えない... :(

目覚ましの音嫌い

いつも2択を選べない

こんな日に限ってものもらい

包装紙の匂いに包まれたい

気になる店員に声をかけたい

ペンがすぐどっか行く

自分の噂話きになる...

青春したい!!

会議テンション上がらない...

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・・・改めてみると世の中たくさんの人が様々な想いを呟いているんだなぁ。

​その中には共感できるツイートや、新しい視点のツイート、悩み、発見、

色々あって、やっぱ人間て面白い!

それにしてもすごい数のツイートだ...。

気になったツイートからのプロダクトイメージを考案

       ツイート

​        仕事できる感さりげなく出したい

手帳がパンパンの人はスケジュールが詰まっていて、忙しいイメージ=仕事ができそう!

      プロダクト

​          『元からパンパンすぎる手帳』

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     ツイート

​          仕事なんて投げ捨てたい

シードペーパーでできた重要書類なら破いてストレス発散 ! & それを土に捨てることで新たな命が芽生える !

     プロダクト

​         『重要書類型シードペーパー』

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       ツイート

         本いっぱい欲しいけど読まない

積まれた本がテーブルになれば、本を身近に感じられるよね!

      プロダクト

​              『積ん読ミニテーブル』

     ツイート

        会議のテンションが上がらない

ミッションを与えて前向きな姿勢になること間違いなし!

     プロダクト

​                『ミッションカード』

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     ツイート

​              色をちゃんと理解したい

お風呂で使う入浴剤がCMYK(色の4元色)!混ぜ合わせて浴槽のお湯を好きな色に!

     プロダクト

​                  CMYK入浴剤』

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       ツイート

​                    神業したい

書類をばら撒いてしまったようなアニメのワンシーンを再現!

       プロダクト

​            『落ちそうで落ちない書類』

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上記以外にも様々なアイデアが出ました。

実際に作製できそうなものとして紙媒体を使用したプロダクトが無難ではありましたが、

話し合いにより、この中で一番『目立つもの』を選んだ結果、

「CMYK入浴剤がいい!印刷とはかけ離れたモノを作ろう!」という結論になりました。

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未知の領域にチャレンジしてこそ、印刷業界の未来が見えてくるんじゃないだろうか?

さらに内容を深めるべく、『入浴剤』というキーワードからツイートを再び洗い出し、

CMYKの入浴剤をどう作るのか具体的に考えることにしました。

 〜 入浴剤からのアイデア出し 〜

『CMYK入浴剤』のイメージをより掘り下げてみました。

     ツイート

​  子供にペンで壁に落書きされたわ

汚れを気にせず、お風呂でお絵かきが楽しく遊べる入浴剤

     プロダクト

​     『絵の具の入浴剤』

     ツイート

    芸術にゆったりひたりたい

お風呂に入れて全身で味わうことができる名画でできた入浴剤

     プロダクト

​      『名画の入浴剤』

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今までにないプロダクトができそうな気がしているのと同時に、

とんでもない方向に向かっている気がしてきました。

入浴剤を作るには?

どれくらいの費用がかかるのか?

​そもそも作れる可能性があるのか?

わからないことが尽きません。

やはり入浴剤製造とは無縁だった私たちだけでは、無知が故に解決できそうになかったので、

一度とある入浴剤会社を訪問し、入浴剤の製造について実際に伺うことにしました。

​入浴剤会社のA社に伺ったところ

まず入浴剤は医薬部外品、化粧品、雑貨品の3つに分類されるようです。

医薬部外品

厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されていて、[ 防止・衛生]を目的に作られるもの。規定が厳しく最低でも申請に4〜5ヶ月長くて1年以上申請が降りるまで時間がかかってしまう。

医薬部外品と比較してもさら

に効能・効果が緩和で、清潔

にする、美化する、魅力を増

す、健やかに保つなどの目的

で使用される製品。成分や量

に規定があり規定外の成分を

使用するとなると時間がかか

るかもしれない。

化粧品

特に規定はなく自由に作るこ

とができる。ただ効能効果を

表記することができず「お湯

の色を楽しむ」や「香りを楽

しむ」くらいしか言えない。

雑貨品

医薬部外品化粧品はそれなりに規定が厳しいようで、雑貨品というジャンルであれば、

幅広い入浴剤が作れそうです。

今回アイデアとして出した3つのプロダクト ( CMYK入浴剤・絵の具の入浴剤・名画の入浴剤 ) を説明し製作可能かどうかを聞いてみることにしました。

Gr研究部

『CMYK入浴剤』は作れますか?

A社

(入浴剤会社)

粉体の入浴剤にそれぞれの色を付け、お好みの色と色を浴槽内で混ぜ合わせるのであれば可能ですが、そもそも2種類以上の入浴剤を混ぜ合わせる行為自体が安全面での保証ができない為、正直商品化は難しいと思います。

『名画の入浴剤』は作れますか?

砂絵のようなイメージで粉体の処方開発は可能ですが、量産時にはバルク色(粉の色)にブレが出てしまいます。

また、透明の容器・分包に入れますと退色していく可能性もございます。

その為、バルク色を忠実に再現するのは難しいです。

また粉体入浴剤をどのように定着させるか検討が必要になってきます。

『絵の具入浴剤』は作れますか?

絵の具のような入浴剤を作るとなった場合、色素量の濃いものが身体に触れてしまった際の皮膚への影響、色素量の濃いものや粘度の高いものが口や目に入ってしまった際の身体への影響、キャンバス以外に書いてしまった際、万が一カビなどが生えてしまうと非常に不衛生となってしまうなど安全面での危険性がある為、こちらの提案はかなり難しいように感じます。

実績がないため研究開発からのスタート。

現状ゲル状であれば提供は可能です。

1つのバルク調合には約100㎏ないと調合が出来ません。また、工場の量産品では調合時の圧力、熱、湿度などの関係でバルク色自体にもブレが出てしまう為、今回のプロジェクトでは色味重視のための不安要素や課題が多く感じられます。

液体(ジェルタイプ)も同様、調合に多くの量が・・・

なるほど...専門家から見てもありえない発想なのか...。

入浴剤会社への相談の結論

絵の具入浴剤 / 入浴剤会社A社では実績がないため作れるかわからない。安全面が不安。

名画の入浴剤 / ​バルクの色を統一させるのが難しい、粉体の入浴剤の定着方法が未定。

CMYK入浴剤 / 混ぜ合わせる行為に制限をかけないと安全面が保証できない。

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うーん...やはり​それぞれに問題点が出てくるなぁ。想像以上に難しい...。

開発にもお金がかかりそう...。けどどうにか糸口を!可能性はまだあるはずだ!

『CMYK入浴剤』『絵の具入浴剤』は安全面の危険性が高い為、

『名画の入浴剤』をメインにプロダクト製作案を模索していくことにしました。

 〜 名画の入浴剤製作案 〜

入浴剤は主に4パターンあります。

粉末タイプ液状タイプ固形タイプ(バスボム)バスソルト

その中から粉体液体固体のアプローチから名画が作製できるかの検討を行うことにしました。

​粉体

『砂絵で名画を作れないか?』

紙の上に粉体入浴剤をつけて砂絵の要領で名画を描きたい。「肌に害が無い」「お湯に溶ける」この2点をクリアできる定着剤を探すことにしました。

実験①:保湿剤

肌に触れても大丈夫な保湿剤は粘性もあるため定着するはずです!

線画をプリントした紙に3種類の保湿剤を塗り、その上に入浴剤が定着できるか実験をしました。

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水分量が多く入浴剤が

溶けてしまいました。

定着剤としては厳しいです。

乳液剤

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スキンケアオイル

油分が紙に浸透し滲んで

しまい、入浴剤の色も落ち

濁った色味に。

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スキンケアクリーム

水分量が少ないため綺麗に定着!

理想的な砂絵の状態

になりました。

しかし、お湯に入れてみたところ...

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保湿剤に含まれる油分が水面に浮いて汚くなってしまいました。

保湿剤は、水分量が多いと入浴剤の定着が難しく、反対に油分が多いと入浴剤は綺麗に定着しますが溶ける際に油分が浮いてしまうため適さないことがわかりました。

実験②:でんぷん糊

粘着といえば、でんぷん糊はどうでしょうか?

米でんぷん、芋でんぷんを自家製で作り実験をしました。

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米でんぷん糊

米でんぷん糊

(ターメリック配合)

芋でんぷん糊

紙に定着させた翌日

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‼︎

米でんぷん糊が乾いたらカピカピになってしまいました。

定着はしましたがお湯で取れません。

芋でんぷん糊は時間を置いたらカビが発生してしまいました。

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なかなかでんぷん糊での定着も改良に時間がかかりそうです。

米や芋以外にもでんぷん糊を作る方法はありますが、

制作期間を考え別の方法を模索する事にしました。

翌日の芋でんぷん糊

(無残にもカビが...)

実験③:タック紙

タック紙とは簡単に説明すると片面がシールになっている紙のことです。

タック紙のシール面に入浴剤を定着させてお湯に溶かしてみました。

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定着!

溶ける!

綺麗に定着し、お湯にも綺麗に​溶けました!

​この方法で早速砂絵を作ってみることにしました。

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​ゴッホの『ひまわり』の線画を作成し、

タック紙にプリントして​部分的に色を付けていきます。

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砂絵にだいぶ近づいたように思えます!

しかし、1つの絵を完成させるのに膨大な時間がかかってしまいます。

名画としてのクオリティを上げるためにも再度研究が必要です。

液体

『名画の分解と原点回帰』

そもそも名画を生み出した画家たちは、どのように色を作ったのでしょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチや葛飾北斎がいた時代は、もちろん絵の具を作る企業があって、お店で絵の具を選んで買っていたわけではありません。

当時は作者自身が絵の具を作り出していました。紅花の植物や鉱物などの自然物から色を作り、オリジナルの色を生み出してきたのです。

私たちも入浴剤からオリジナルの絵の具を作ればどうでしょうか。

絵の具の作り方を調べた結果、ある絵の具が候補にあがりました。

それは『日本画の絵の具』です。

日本画家小原古邨の作品

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日本画には鉱石を砕いて作られた「岩絵の具」という絵の具が使われており、接着材として水と膠(にかわ)が混ぜられいます。

膠とは、動物の皮革や骨髄から採られる強力な糊で、主成分は蛋白質の一種であるコラーゲンです。また膠を純粋に生成したものが市販でよく目にする「ゼラチン」になります。

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ここで考えられるのはゼラチンを使って体に害のないオリジナルの絵の具を作れるんじゃないかということです。

早速作ってみることにしました。

 

実験①:ゼラチン

粉ゼラチンを水と混ぜ合わせながら湯煎して溶かします。そこに粉体の入浴剤を入れ、ゼラチンに色を定着させます。数分時間を置くと、半ゼリー状になります。​ゼラチン絵の具を紙に定着させてみました。

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数分後

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これをお湯に入れてみると...

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綺麗に溶けることができました!

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数分後

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次にこのゼラチン絵の具を使って絵を描いてみることに。

絵を描くにあたって、半ゼリー状になってしまう絵の具はなかなか筆に絡まってくれないので、実作の型に絵の具を流し込むことにしました。

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絵の具が乾いたのを確認し、型を外してみると、とても綺麗とは言えない状態に。

太陽の型に関しては型側にくっついて固まってしまいました…。

剥がすとステンドグラス風になるので、これはこれでいいのかもしれませんが…。

やはり“半ゼリー状”が問題のようです。

ゼラチン以外で接着剤の役割を果たすものがないか検討してみることにしました。

実験②:片栗粉

ゼリー状にさせないため、「片栗粉」を混ぜて再度トライしてみることにしました。

数分後

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翌日

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ゼラチンだけの時とは違い、簡単に型を外すことができ、形もキープできました。また翌日には水分が乾き質感もうまれ、しっかりと定着しているようになりました!

​後は綺麗にお湯に絵の具が溶けるかです。

​早速やってみます。

…思っていた以上に紙に定着してしまい、指で擦ってもお湯に溶けませんでした。

ゼラチンも米でんぷん糊と同様、水分が抜けてしまうと硬くなり溶けるのに時間がかかってしまう様です。

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​*別で作ったもの

個体

『バスボムという名のキャンバス』

表面が平らな固形入浴剤があれば、それをキャンバスとして名画を描くことができるのでは?というアイデアが浮かび、まずは固形入浴剤の作り方を調べることにしました。「重曹(炭酸水素ナトリウム)​+クエン酸」を混ぜて作れる様です。

そこで名画が描けそうなキャンバスバスボム ( 通称:キャンバスボム....と勝手に命名 ) を自作してみることにしました。

また平行してどのように名画をキャンバスボムに描くのか?こちらも考えなければなりません。

名画を画家のように、筆を使って描きたいものですが、リーハンドで名画を模写するは至難の技です。そのため、ケーキやクッキーにイラストや写真を食用インクでプリントする フードプリント で名画を描く方向に決めました。

実験①:バスボム

まずは市販で売られている重曹とクエン酸を購入し、オリジナルのバスボムを作ってみることから始めました。自作で作る場合は重曹に対してクエン酸が半分の割合で混ぜ合わせるようです。

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重曹30g、クエン酸15g、食用色素を少量(着色用)を加え水を霧吹きしなながら混ぜ合わせてみることに。するとシュワシュワ音をたてて発砲し始めました。水を加えることで化学反応が起きるようです。

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ある程度霧吹きをして混ぜ合わせた後に軽く手で握り綺麗に形をキープして固める事ができました。

これをお風呂に入れてみると、シュワシュワ音を立てて溶け始め、浴槽のお湯に色がつきました。

また青色のバスボムと黄色のバスボムを浴槽内で混ぜ合わせることで緑色の湯船を再現する事ができ、お風呂の色も名画のイメージに合わせた色にすることができそうです。

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実験②:硬化実験

〜割れにくい入浴剤を作るべく重曹100gに対し塩・片栗粉・クエン酸で配合を検討〜

名画を作るにあたって、キャンバスボムのサイズをどこまで大きく作製するかを考えました。​小さすぎると名画に見えない?大きすぎると入浴剤が割れてしまうのでは?丁度良いサイズ感としてA4サイズ ( 210mm×297mm ) を目指すことにしました。まずはハガキサイズで硬化実験です。

①塩50g

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固まったが軽く握ると割れてしまった

②片栗粉50g

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持ち上げる際に簡単に崩れてしまった

③片栗粉50g+クエン酸50g

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握ると崩れてしまった

④クエン酸50g

⑤塩50g+片栗粉50g

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〜実験結果〜

重曹とクエン酸のみの配合が

一番硬くなる。

崩れにくく頑丈になったが表面がボコボコしてしまう

握ると崩れてしまった

実験③:A4サイズ製作

次に、A4サイズにするため、A4クリアケース、炭酸ナトリウム25kg(重曹)、無水クエン酸4.5kgを購入し、入浴剤を製作していきました。

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▶︎しかし、重曹とクエン酸が混ざることで化学反応が起き、表面がボコボコに膨らみ、ヒビも入ってしまいました。

​​◀︎クリアケースに重曹とクエン酸(1/2の量)を加え、水で混ぜ合わせます。

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​重曹に対してクエン酸の量が多いのかもしれません。そのため、クエン酸の比率を下げて製作してみました。

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綺麗に表面を作ることができました!

硬さも問題なさそうです。フードプリント会社に連絡を取り、実際にプリントすることにしました。

実験④:フードプリント

フードプリント会社でA4サイズのキャンバスボムにプリントをしていただきました。

何パターンか濃度を調整していただき、イメージ通りの濃度の%でゴッホの『ひまわり』をA4サイズぴったりで出力をすることに。

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綺麗に『ひまわり』をキャンバスボムにプリントすることができました!見た目もリアルで、とてもこれが入浴剤だとは思えないレベルです!これはほぼ完成と言って良いのではないでしょうか?

早速、会社に持ち帰り、お風呂に入れてみることにしました。

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シュワシュワと発砲しながら綺麗に溶かすことに成功しました!

なので、粉体・液体・固体と名画を作るのに実験を進めてきましたが、この固体実験(バスボムフードプリント)が一番良い結果となりました!

 〜 名画の世界観 〜

名画にゆったりと浸ってもらうためには、ただ名画をプリントした入浴剤を作るのではなく、名画に浸る人の“五感”に訴える、今までにない名画の味い方を提供する必要があると考えました。

「バスルームを名画の世界観で満たすためにはどうするべきか」という点に着目し、全身で味わえる全く新しい名画の観賞方法を表現する為、「視覚」「嗅覚」「聴覚」にこだわることにしました。

名画のチョイスは引き続きゴッホの『ひまわり』で製作してみます!

視覚『ゴッホはお風呂に溶ける』

さて、お風呂に本物のゴッホの『ひまわり』を入れると果たしてどうなるのでしょう。あくまで想像ですが、徐々に絵が滲んでいき、様々な色の絵具が溶けだすのではないでしょうか。そして名画の絵具を溶かしきった後に、絵の裏に隠された下書きの線画が出てきたら面白そうです。

このイメージを表現する為、入浴剤を作る際にひまわりの葉っぱの部分には緑の入浴剤を、背景には黄色、ひまわり自体には茶色やオレンジの食用色素を使用し、実際に溶かした時に本物の名画が溶けているような感覚になるよう仕上げました。

また名画のイメージカラーである“オレンジよりの黄色(ひまわり色)”を目指し、途中に緑色や茶色が出つつも最終的にはひまわり色になるよう実験を繰り返し、色の調合を行いました。

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1回目

5回目

8回目

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​色が溶けた後のキャンバスイメージは、名画入浴剤の裏に、『ひまわり』の線画をプリントした耐水紙を敷き、名画の色が溶た後、線画だけが残って見えるようにしました

嗅覚『ひまわりはヒマワリか』

次に名画の香りです。名画を溶かした際に香ってくるのが絵具の匂いではリアルですが、あまり嬉しくありません。名画の世界観に浸っているようなイメージを掻き立てるためには、そのような“リアルさ”ではなく、“イマジネーション” の演出が必要であると感じました。そこで名画入浴剤に使用する香りは我々が思う名画のイメージの香りをつけることにし、『ひまわり』入浴剤にはヒマワリの花のアロマオイルを配合しました。

人によっては『ひまわり』に抱くイメージの香りはヒマワリの花の香りではないと思う方もいるかもしれませんが、実際のヒマワリの香りを嗅ぎながら『ひまわり』を観賞していただくことで新たな発見があると思います。ぜひ本物のヒマワリの花の香りを堪能しながら、より一層名画『ひまわり』を身近に感じてください!

聴覚『名画というサウンド』

実は音にもこだわりがあります。本物の名画を溶かしても音は出ないと思いますが、この入浴剤は溶かすとシュワシュワと音がするよう工夫しました。

その理由は泡が出ることで香りを広げるという効果もありますが、名画が溶ける音を聞き、様々な想像力を引き立てていただきたいと思い、音が出る入浴剤にしました。

五感を使って、味わうことができる全く新しい名画の完成です!

 〜 額縁製作 〜

大喜利印刷の課題である『廃材』を額縁に利用できないか考えました。

廃材として出たパレットを使い額縁を作ることにしました。

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試作

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パレット感を残した状態で製作密輸感が出てしまい不採用

パレットとは?

輸送・物流用に使う簀の子(すのこ)状の台のこと。

​印刷会社では用紙用紙を置く台として利用されています。定期的に古くなったパレットは廃材として破棄されています。

試作

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額をイメージして製作

額が太く名画が目立たないため不採用

今回額縁として使用するパレットは廃材の中でも状態がとても良いものを選び作成することにしました。

​厚さが3cmもある入浴剤をどのように嵌めればいいのか?

その出来栄えはお風呂に入れたくなるようなものにはなりませんでした...。

理想的な額縁を自作で作るのはのなかなか難しそうです。

名画を引き立たせる品のある額縁に仕上げたかった為、

大工のプロに額縁をパレットから作っていただくことにしました。

製作工程

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使用するパレットを選定

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パレットを解体

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金属を使わず固定

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縁の装飾部分

塗装後

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豪華なイメージに仕上げる為、

金色に塗装していただきました。

またお風呂に入れても色が溶けぬよう

ニス塗装もしていただいています。

裏面

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裏側は入浴剤の取り外しができるようトンボという金具で止めています。

まさに額縁そのものです!

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とても綺麗に仕上げて頂きました。

金色の額縁に入れたことで品が生まれ、​名画も輝いて見えます!

元がパレットだったとは想像もつかないでしょう。

素晴らしい額縁の完成です!

最終章 〜 完成 〜

こうして印刷会社の私たちは、大喜利印刷プロジェクトを通して、

『名画に浸る入浴剤』という1つのプロダクトを完成させることができました!

tweet

ゆったり芸術にひたりたい

product

『名画に浸る入浴剤』

名画をお風呂に溶かし、

全身でゆったりと芸術に浸ることができます。

​入浴剤(A4サイズ)

食用インクで名画をプリント

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耐水紙の線画

​廃材のパレットで製作

 ・炭酸ナトリウム

​・無水クエン酸

食べても安心

濡れても平気

ゴッホの『ひまわり』以外にも世界の名画シリーズを作製しました

サンドロ・ボッティ・チェッリ

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ヴィーナスの誕生

葛飾北斎

富嶽三十六景神奈川沖浪裏

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しかし...

エピローグ 〜 思わぬ落とし穴 〜

​完成と思われましたが、入浴剤のプリント表面に思わぬ変化が起きていることに気がつきました。

プリント当日

​一週間後

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日にちが経つにつれ、プリントの色味が薄くなってしまいました。インクが浸透してしまったのか、プリントしたことにより見えない部分で発泡してしまっているのか、はっきりとした原因がわかりませんが、キャンバスボムに直接プリントすると彩度を保てないようです。

プリントの色を維持させるためにも、表面に何かしらの加工を施す必要が出てきました。

色褪せ

『バスボムというキャンバス』

実験①:可食性シート

フードプリント会社から名画をプリントした可食性シートを頂きました。シートであれば色褪せを防げそうなので、入浴剤に貼ってうまく溶けるかの検証を行います。またシートにプリントされた名画は、細部まで鮮明にプリントされているので、これがうまく行けばより完成度が上がりそうです。

→可食性シート

食用インクでプリントされた食べれるシート。

よくスイーツや和菓子に使われます。

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キャンバスボムの上に貼ってみましたが、

表面の粒子だけくっつき定着しません。

そこで水を霧吹きでシートの裏面にかけて貼ると

無事キャンバスボムに定着しました。

​入水検証

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お湯に溶かした結果、可食性シートがボロボロに剥がれ水面に浮いてしまいました。

理想の溶け方とは違う為、他の加工方法を検討することにしました。

実験②:片栗粉

溶けやすく定着もするコーティング素材として片栗粉を使い検討しました。

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水溶き片栗粉を用意します。

キャンバスボムの表面に

塗っていきます。

​無事発泡せずに塗ることができました。

→1日置いて乾かした結果

ヒビが入り割れてしまいました。また持ち上げるとボロボロと崩れやすくなってしまいました。また別のコーティング方法を検討するしかないようです。

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実験③:ゼラチン

液体実験で使用したゼラチンをコーテイングに使えないか検討しました。

キャンバスボムの表面に湯煎したゼラチンを垂らしてみましたが、液体のため発泡し始めてしまいました。なるべく発泡を抑える為に、筆を使ってゼラチンを薄く塗り、それを数回に分けて重ねました。

若干の発泡はしてしまいましたが、綺麗に塗り、コーティングさせることができました。

ゴッホのひまわり用に土台に色をつけている為、黄色くなっています。

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色調観察

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キャンバスボムの半分にゼラチンを塗り、フードプリント会社で再びプリントしました。

ゼラチンコーティング有りと無しの経過観察をしました。

数週間後

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​数週間後に絵柄を確認したところ、ゼラチンが塗られていない部分は色味が褪せてぼやけてしまいましたが、ゼラチンでコーティングされている部分は絵柄がしっかりとキープされていました。

入水検証

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入水検証の結果、可食性シート同様ゼラチン部分が溶けずに浮いてしまいました。

液体実験同様に水分が無い分、溶けるのに時間がかかってしまうようです。

活動内では表面の加工で綺麗に溶ける素材を見つけることができませんでした。大喜利印刷の企画内容である一人の「欲しい」からアイデアを生み出し作ることはできましたが、理想の形にするには、まだまだ課題が残っています。アイデアの発案から「ヒット商品を作り出す」という大きな目標に向けて、これからも私たちの研究は続きます。

To Be Continued...

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